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モニタリング機能

しきい値または他の例外用の特定の管理情報ベース(MIB)オブジェクトをモニタするために SystemEDGE エージェントを設定できます。 数百台のシステムが存在する大企業を管理する場合は、エージェントによってモニタされる情報を設定できます。 エージェントによってモニタされる情報を設定することにより、管理オーバヘッドを増加させることなく、大規模な実装を保守するために必要な例外による管理が実現できます。

注: 各エージェントの収集およびモニタリング機能の詳細については、「概念」の章を参照してください。

サポートされるモニタの最大精度は 64 ビットです。 SystemEDGE エージェントは以下のタイプのモニタリングを提供します。

セルフ モニタリング

エージェントがサポートする任意の整数ベース MIB オブジェクトのモニタリングを提供します。 セルフ モニタ テーブルにエントリを作成して、モニタするオブジェクト、比較演算子、しきい値、および重大度を指定できます。エージェントは作成されたエントリに基づいてオブジェクトを自動的にモニタします。 エージェントは特定のポーリング間隔でオブジェクトをモニタし、指定されたしきい値および重大度値に従って現在の状態を維持します。 状態変更しきい値の超過が発生すると、エージェントは状態変更トラップを送信します。

注: セルフ モニタリングの詳細については、「セルフ モニタリング」の章を参照してください。

プロセスとサービスのモニタリング

任意の単一のプロセス インスタンスまたは Windows サービスのモニタリング機能を提供します。 プロセス モニタ テーブルにエントリを作成して、プロセスまたはサービスが実行されているかどうかをモニタしたり、指定されたしきい値に対してプロセス テーブル MIB オブジェクトをモニタしたりできます。 エージェントはプロセスをモニタし、指定されたしきい値および重大度値に従って現在の状態を維持します。 状態変更しきい値の超過が発生するか、プロセスの状態(実行中または停止中)が変更されると、エージェントは状態変更トラップを送信します。

注: プロセスおよびサービスに対するモニタリングの詳細については、「プロセスとサービスのモニタリング」の章を参照してください。 プロセス モニタは単一のプロセス インスタンスしかモニタできないので、複数のプロセス インスタンスをモニタするには、プロセス グループ モニタを使用します。

プロセス グループ モニタリング

プロセスのグループを定義し、そのグループをモニタする機能を提供します。 プロセス グループ モニタ テーブルに、プロセス グループを定義するエントリを作成できます。 エージェントはグループをモニタし、プロセス グループが変更されると、トラップを送信します。 エージェント モニタは、グループ内のすべてのプロセスによって消費されるメモリまたは CPU 時間などのプロセス グループ メトリックを提供します。 必要な場合、セルフ モニタがプロセス グループ メトリックをモニタできます。

注: プロセス グループ モニタリングの詳細については、「プロセス グループ モニタリング」の章を参照してください。

ログ ファイルおよびディレクトリ モニタリング

正規表現として指定された文字列を検索して、任意の UTF-8 エンコーディング システムまたはアプリケーション ログ ファイルのモニタリングを提供します。 ログ モニタ テーブルにエントリを作成して、エージェントが、指定されたログ ファイルでユーザ定義の正規表現と一致する行をモニタし、一致が発生すると、トラップを送信するようにできます。 送信されたトラップに含まれる重大度をモニタに関連付けることができます。 ログ モニタ テーブルにエントリを適宜設定すると、ディレクトリ内のファイルのサイズおよび数もモニタできます。 最大 2 GB のサイズのログ ファイルをモニタできます。

注: ログ ファイルおよびディレクトリのモニタリングの詳細については、「ログ ファイル モニタ」の章を参照してください。

Windows イベント モニタリング

イベント ソースなどのさまざまなフィルタを使用して、Windows イベント ログ エントリのモニタリングを提供します。 NT イベント モニタ テーブルにエントリを作成して、エージェントが、指定されたイベント ログでユーザ定義の正規表現と一致するイベントをモニタし、一致が発生すると、トラップを送信するようにできます。

注: Windows イベント モニタリングの詳細については、「Windows イベント モニタリング」の章を参照してください。

履歴の収集

マネージャ側ベースライニングおよび傾向分析用の履歴データ収集を提供します。 履歴制御テーブルにエントリを作成して、エージェントが時間経過に伴ってメトリックを収集するようにできます。 収集されたメトリックは、特定の期間中の平均システム パフォーマンスの図を表示するために使用されます。

注: 履歴収集の詳細については、「履歴の収集」の章を参照してください。

64 ビット メトリックのスケールのモニタ

モニタのしきい値を指定して、64 ビット メトリックをモニタできます。 たとえば、64 ビットのしきい値を指定すると、9,000,000,000,000,000,001 バイト(9 の * 10^18 に 1 を加えた数)は有効な 64 ビット値です。 ただし、10^18 のスケール ファクタおよび 9 のしきい値を定義することにより、9 EB (エクサバイト)のしきい値を定義できます。 スケール ファクタは、モニタの精度を定義します。 1 パーセントの精度のために、10^16 のスケール ファクタを定義できます。対応するしきい値は 900 です。

64 ビット(2^64)メトリックに対して、モニタのスケール ファクタが 2^32 である場合、最大のモニタ値は 2^32 です。

プロセス モニタリングの拡張機能

SystemEDGE は、プロセスの CPU 使用率を新しい変数(processTable 内の processTimePermil)の割合として提供します。 プロセス モニタリング機能およびプロセス グループ モニタリング機能が、processTimePermil を使用して提供されています。

processTimePermil は、前回のサンプル間隔でのプロセスの CPU 使用率を千分率で表した値です。 変数値はシステムによって異なります。 値は、CPU ティック数を総 CPU ティック数で除算した値の差異です。 SNMP では小数がサポートされていないので、報告される値は 1000 倍されています。 たとえば、CPU の千分率 505.833 が 505833 として返されます。 パーセントに変換するには、返された値を 10000 で除算します。

オブジェクト集計

Systems Management MIB に新しい集計テーブルが追加され、異なる重大度の複数のモニタによってモニタリングされているオブジェクトが集計できるようになりました。 集計テーブルは、セルフ モニタ テーブルとプロセス モニタ テーブルの新しいクラス、インスタンス、および属性のプロパティを使用して、モニタが同じオブジェクトを参照しているかどうかを確認します。 全体的なオブジェクト状態は、しきい値を超えたモニタの中で最大の重大度を持つモニタの状態変更トラップを送信することによって確認されます。

多層オブジェクト インスタンス階層

オブジェクト インスタンスをそのホストされる階層に関連付けるために、// / とが、//hierarchy/instance のように区切り文字として使用されます。 階層は、オブジェクト インスタンスが 2 層より多い層でサポートされるような多層となることができます。

階層は、ホスト名 //host/instance の形式および //<any1>/<any2>/.../<anyN>/<instance> の形式となることができます。 ローカル システムのオブジェクト インスタンスの場合、インスタンスのみが指定でき、先頭に //./ が自動的に付加されます。 仮想オブジェクト インスタンスを示すために、先頭に「lpar:」のようなネームスペースを付加できます。 たとえば、LPAR 上のオブジェクト インスタンスは、lpar://hmc1/hyper1/lpar1/disk1 として表されます。

オブジェクト インスタンスのスーパー集計は、すべての層ではなく、最下位の 2 層のみに対して提供されます。 たとえば、//host/* は、ホスト上のすべてのインスタンスを集計します。 すべてのオブジェクト インスタンスを集計する、特別なスーパー集計 //* は、スーパー集計の選択したレベルに応じて作成されます。

関連項目:

セルフ モニタリング

プロセスとサービスのモニタリング

プロセス グループ モニタリング

ログ ファイル モニタリング

Windows イベント モニタリング

履歴の収集

Perl 互換正規表現(PCRE)のサポート