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新しいコレクタがクラスタに追加されたときのエージェント負荷分散

コレクタ A、B、および C のクラスタが過負荷状態であると判断しました。

MOM 上の IntroscopeEnterpriseManager.properties ファイルに接続プロパティのセットを追加することにより、コレクタ D を動的に追加します。 さらに、このクラスタ内のすべてのコレクタの再分散のしきい値を 10,000 メトリックに設定します。 IntroscopeEnterpriseManager.properties ファイル内の introscope.enterprisemanager.loadbalancing.threshold プロパティを設定することで、この設定をしていました。

コレクタ D に報告されるメトリックは 0 ですが、コレクタ A、B、および C にそれぞれ報告される平均のメトリック負荷は 30,000 メトリックです。 以下の要因により、MOM はクラスタを再分散します。

MOM はコレクタ A、B、および C からそれぞれ 7,000 のメトリックを再分散し、その合計 21,000 のメトリックをコレクタ D に報告するようにすべて転送します。 再分散後に、23,000 のメトリックがコレクタ A、B、および C それぞれに報告し、21,000 のメトリックがコレクタ D に報告します。

コレクタがエージェント付きで追加されたときのエージェント負荷分散

MOM がコレクタ A および B へ接続します。 36,000 のメトリックがコレクタ A に報告し、30,000 のメトリックがコレクタ B に報告しています。 IntroscopeEnterpriseManager.properties ファイル内の introscope.enterprisemanager.loadbalancing.threshold プロパティを使用して、メトリックしきい値を 10,000 メトリックに設定します。 24,000 メトリックからの報告を受けるコレクタ C がクラスタに追加されます。

MOM は、以下の理由によりメトリックの負荷を再分散しません。

コレクタ障害時のエージェント負荷分散

MOM がコレクタ A、B、および C に接続します。 36,000 メトリックがコレクタ A に報告し、30,000 メトリックがコレクタ B に報告し、24,000 メトリックがコレクタ C に報告しています。 コレクタ A に障害が発生し、コレクタ A に報告していたエージェントが MOM に再接続します。 MOM は約 15,000 メトリックをコレクタ B へ、約 21,000 メトリックをコレクタ C へそれぞれ転送します。 これで、コレクタ B および C の両方にそれぞれ 45,000 メトリックが報告されます。

コレクタ再起動時のエージェント負荷分散

コレクタ A が障害から回復すると、クラスタが不均衡になります。 平均のメトリック負荷は 30,000 メトリック([0 + 45,000 + 45,000]/3)です。 ただし、コレクタ B および C にはそれぞれに報告している 45,000 のメトリックがあり、その 45,000 のメトリックは以下のような状態です。

そのため、MOM はコレクタ B および C からそれぞれ合計 15,000 メトリックのエージェントを切断し、30,000 メトリックをすべてコレクタ A へ転送します。 これにより、コレクタ A、B、および C へそれぞれ 30,000 メトリックが報告されるようになります。

重みによるエージェント負荷分散

MOM がコレクタ A、B、および C に接続します。 しきい値は 10,000 に設定されています。 24,000 メトリックがコレクタ A に報告し、30,000 メトリックがコレクタ B に報告し、36,000 メトリックがコレクタ C に報告していて、合計は 90,000 メトリックです。 クラスタのコレクタの平均メトリックは 30,000 です。 コレクタ A の重みを 150、コレクタ B の重みを 100、コレクタ C の重みを 50 に設定します。 重みの平均は 100 になります(重みの合計 150 + 100 + 50 をコレクタの数 3 で割った数)。

理想的には、各コレクタのメトリックの負荷はその相対的重みに比例します。 コレクタ A の重みは 150 のため、理想的なメトリックは 45,000 です。 この重みは平均より 50% 多いため、理想的なメトリックの負荷は平均値の 30,000 メトリックよりも 50% 多いものになります。 コレクタ B の重みは平均値であるため、理想的なメトリックの負荷は平均値、つまり 30,000 メトリックになります。 コレクタ C の重みは平均値の 50% であるため、理想的なメトリックの負荷は平均値の 50%、つまり 15,000 メトリックになります。

これらの相対的重みやメトリックの平均値に基づくと、クラスタは不均衡になっています。 コレクタ A は、重み調整された平均値よりも(しきい値以上)低いため(24,000 - 45,000= -21,000)、低負荷状態です。 コレクタ B は 30,000 メトリックのため完全にバランスが取れています。このメトリックの負荷は、重み調整された平均値と同じです。 コレクタ C は、重み調整された平均値(10,000 メトリックしきい値以上)を超えているため(36,000 - 15,000= 21,000)、過負荷状態です。 MOM はコレクタ C から 21,000 メトリックを持つエージェントを外し、それらをコレクタ A へ転送することで、クラスタを再分散します。