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モデリング プロセスで考慮する必要のあるケース

モデリング プロセスで考慮する必要のある概念を説明するために、やや一般的なケースともう少し具体的なケースについて、いくつかの例を以下に示します。 これらの概念は、メトリックのより正確な定義および安定したフレームワークで発生する場合があります。

ターゲットのないメトリック

メトリック定義内のターゲット フィールドが必須ではないので、そのフィールドが定義されない場合は、サービス レベル レポートをメトリックで利用できます。 ただし、ターゲットと偏差に対するサービス レベル レポートは利用できません(実際に計算されたサービス レベルと比較するターゲットがないため)。 これらのタイプのメトリックは、実際の契約上の義務に含まれていない情報についてレポートを必要とする場合に定義されます。

このタイプのメトリックを定義すると、レポートで利用可能なすべてのドリルダウン機能がユーザに提供され、また今後任意の段階で測定値をターゲットに適用するオプションがサービス レベル マネージャに提供されます。

契約上の保証は、99% のネットワーク可用性および毎月のダウンタイム数に関するレポートを提供することです。

2 つのメトリックが定義されます。一方のメトリックは、可用性 99% のターゲットで定義されます。もう一方のメトリックは、毎月のダウンタイム数をカウントするためにターゲットなしで定義されます。 これらのメトリックは両方ともレポート可能ですが、最初のメトリックにのみ、その契約上の義務により偏差計算があります。

注: この種の状況に対処するには、ビジネス ロジック出力およびこのデータに関する自由形式レポートを使用するという方法も考えられます。 ただし、この方法では、データに関するレポートのドリルダウン機能、および簡易レポート ウィザードを使用するオプションが失われます。 これに対し、ビジネス ロジック出力を使用する利点は、メトリックの数を減らすことによりエンジンの能力を節約できることです。

この方法の詳細については、「出力 - ユーザ テーブル」のケース スタディを参照してください。

ターゲットがあるメトリック

メトリックに対してターゲットが定義される場合は、ターゲットを指定する 2 つの方法が考えられます。 静的ターゲットまたは動的ターゲットとして指定できます。 静的ターゲットは最もよく見られるシナリオです。静的ターゲットでは、ターゲットを契約期間にわたり有効な合意値にすることができます。

例:

ネットワーク可用性は、毎月 98% 以上にする必要があります。

この場合のターゲットは 98% です。

あるいは、ターゲットは前月のパフォーマンスに依存するか、年間を通じてその値を単純に変更することもできます。 ここで発生する可能性のある別の状況は多数ありますが、一般にそれらはすべて計算式によって実装されます。 CA Business Service Insight は、標準的なビジネス ロジック テンプレートからの追加の関数呼び出しによってこの機能をサポートします。 目的関数はビジネス ロジックのコンテキストから他のパラメータにアクセスでき、考えられる必要なシナリオをすべてサポートできます。

たとえば、ヘルプデスク ロードに依存するヘルプデスク内のチケットの解決時間について考えます。同じ月内に 1000 チケットしかない場合、優先度の高いチケットの平均解決時間は 1 日です。 月内にヘルプデスクで発行されるチケットが 1000 を超える場合、優先度の高いチケットの平均解決時間は 2 日です。

この場合、その月に発行されるチケット数に応じて、ビジネス ロジック スクリプト内で評価される動的ターゲットを持つものとしてメトリックが定義されます。

注: 動的ターゲットの実装方法の詳細については、「動的ターゲットの実装」のケース スタディを参照してください。

メトリック パラメータ

メトリック パラメータは、メトリックのビジネス ロジック内から扱える値であり、また実際のコードを変更することなく、メトリック定義から簡単に変更できる値です。 この値はハードコードされた値の代わりに使用され、簡単に変更できます。

メトリック パラメータを特定してビジネス ロジック モジュールを簡単に特定できるようにすること、および再利用可能なコンテンツを作成することが重要です。 さらに、エンド ユーザが簡単に変更を実行できるようにする契約ウィザードを使用して、メトリック パラメータにアクセスできます。

契約パラメータ

契約パラメータは契約内のすべてのメトリックで扱える値です。 契約パラメータはメトリック パラメータと同じ方法でメトリック内で使用できますが、動的パラメータとして定義されます。

複数のメトリックで同じ値を使用する必要がある場合は、契約パラメータの使用をお勧めします。 契約パラメータを使用する別の重要なインセンティブは契約管理を容易にすることです。 パラメータは変更されることが多く、システム内で更新する必要があるので、契約内の各メトリックにアクセスしてメトリック レベルでパラメータ値を変更するよりも、契約内の 1 つの場所にアクセスしてすべてのパラメータ値を同時に変更する方が簡単です。

したがって、最も推奨されるモデリングは、契約レベルのパラメータを契約パラメータとして定義し、メトリック レベルの動的パラメータを使用して、それらの値にアクセスすることです。

例については、「ヘルプデスクのパフォーマンス」のケース スタディを参照してください。