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Transaction Tracer について

Transaction Tracer は、ユーザが定義する特定の基準を満たすトランザクションをキャプチャし、次に、そのトランザクション用に行われたコールをシステム全体にわたって調査できる Workstation 機能です。 グラフィカル ユーザ インターフェースを使用して、アプリケーション エラーとパフォーマンスの問題を容易に切り分けることができます。

CA Introscope® では、トランザクションはサービスの呼び出しおよび処理として定義されています。 Web アプリケーションのコンテキストでは、Web ブラウザから送信された URL の呼び出しと処理を指します。 Web サービスのコンテキストでは、SOAP メッセージの呼び出しと処理を指します。

Transaction Tracer では、承認されたユーザがコンポーネント レベルでトランザクションのアクティビティを追跡できるので、トランザクション内で問題のあるコンポーネントを特定するまでにかかる時間が削減されます。 Transaction Tracer では、この機能をサポートする同種のアプリケーション サーバ（以下の 2 つ）環境内で境界を越える同期トランザクションを追跡できます。

• WebLogic Server 8.0 以降
• WebSphere 6.x

その他の環境では、トランザクションは、単一の Virtual Machine （VM）または Common Language Runtime （CLR）の境界内で追跡できます。

複数のプロセスにわたるトランザクション追跡クエリの結果は、トランザクション追跡ビューアの［追跡ビュー］タブに表示されます。

トランザクション追跡セッション データは、トランザクション イベント データベースに一定期間保存され、オーバーヘッドを削減するために定期的に破棄されます。

サーブレットまたは ASP.NET の変数の値（HTTP 要求ヘッダ、要求パラメータ、セッション属性、セッション ID、ユーザ名、URL、URL クエリ文字列など）に基づいてトランザクション追跡データを取得するように、Introscope エージェントを設定することができます。 さらに、Introscope エージェントは自動的にトランザクションをサンプリングします。以下の「トランザクション追跡の自動サンプリング」を参照してください。

注： メトリックがシャットオフ状態になっていても、トランザクション追跡データには影響しません。 マネージド エージェントは、シャットオフされている場合はトランザクション追跡データのレポートを行いません。 エージェントがシャットオフされたときにトランザクション追跡セッションが進行していた場合、エージェントは、シャットオフ要求より前に収集されていたデータについてはレポートを行います。

トランザクション追跡の自動サンプリング

デフォルトでは、CA Introscope® エージェントは、1 時間に 1 回、アプリケーションの正規化された一意の URL をそれぞれ追跡して、トランザクションの動作をサンプリングします。 ユーザは、以下の 2 つを使用して、選択された履歴時間範囲からサンプリングされた追跡データを表示および分析できます。

• CA Introscope® Workstation および Webview
• Investigator の［追跡］タブ

URL グループが設定されていない場合でも、一定の間隔でサンプリングするトランザクションの数を指定することで、自動追跡サンプリングを設定することもできます。デフォルト値は、2 分間隔で 1 トランザクションです。 詳細については、「CA APM Java Agent 実装ガイド」を参照してください。

トランザクション追跡のサンプリングはデフォルトで有効になっています。 必要に応じて、この動作を無効にしたり、サンプリングの期間を変更したり、ランダムになっているサンプリングのタイミングを変更したりすることができます。 詳細については、「CA APM Java Agent 実装ガイド」および「CA APM .NET Agent 実装ガイド」の自動トランザクション追跡の動作の制御に関する記述を、必要に応じて参照してください。

トランザクション追跡のオーバヘッド

トランザクション追跡セッションは、その開始時からセッションの最後のプロセス内のすべてのトランザクションが完了するまで、オーバヘッドに影響を与えます。 実行しきい値をミリ秒単位で指定できますが、それによりとシステムの負荷が増加します。

以下のトランザクション追跡機能によって、追跡セッションで許容できないようなオーバヘッドが発生する可能性は低くなります。

• トランザクション追跡セッションのタイムアウト： トランザクション追跡セッションは、ユーザ定義の期間が経過すると、タイムアウトになります。これは、管理者ユーザの意図に反して Transaction Tracer が動作したままになり、長時間にわたって性能に悪影響を及ぼす結果になるのを防ぐためです。 タイムアウト期間の最後に、エージェントは、新しいトランザクションの追跡を停止し、継続中のトランザクションの追跡を完了します。
• フラッド防止ロジック： オーバヘッドの過剰な増大を防止するため、エージェントの氾濫防止ロジックによって、追跡するトランザクションの数が 15 秒間につき 200 件に制限されます。 この制限を超えた場合、エージェントでは、氾濫防止しきい値を超えたことがログに記録されます。Enterprise Manager へのトランザクション追跡データのレポートは、その超過が発生した 15 秒間の期間が終わるまで中断します。 15 秒の期間が終わると、氾濫防止ロジックはレポートを再開します。

「CA APM サイジングおよびパフォーマンス ガイド」には、トランザクション追跡のオーバーヘッドの制御に関する詳細が記載されています。

以前のリリースのエージェントと Transaction Tracer の互換性

Transaction Tracer を有効にしたバージョン 9.x の Introscope を、バージョン 9.0 より前のエージェントで使用することは可能ですが、以下の注意事項があります。

• Transaction Tracer をバージョン 5.3.2 以降のエージェントと共に使用する場合は、パラメータおよび実行時間しきい値によってフィルタ可能です。
• 6.0 以降のエージェントでは、Transaction Tracer は、パラメータおよび実行時間しきい値に加えて、エラーでもフィルタ可能です。