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クォータの使用方法

オペレータには、個別のユーザおよびグループ用のクォータを作成し、変更するために必要な権限があります。 クォータを使用することにより、以下の目標を達成できます。

オペレータは、クォータを設定して適用するために、以下のタスクを実行します。

Quotas1231

  1. 警告クォータを作成する
  2. バースト クォータを作成する
  3. 親子のクォータ関係を設定する
  4. 測定データを表示する
警告クォータを作成する

オペレータは、特定の開発パッケージにおいて、ユーザのリソース使用状況が割り当て量に近づいていることを追跡できます。 警告クォータのエントリを作成すると、使用状況が割り当て量に近づいたときにダッシュボードに情報メッセージが表示されます。

この例では、MSP 企業である Forward,Inc. が以下を含むサービスの基本開発パッケージを提供しています。

注: Forward,Inc. は、説明の目的だけに使用する架空の会社名であり、実在する会社とは一切、関係ありません。

たとえば、WarnGroup ユーザの操作が基本開発パッケージで利用可能なリソースの 75 % を消費した時点でメッセージを表示したいとします。

以下の手順に従います。

  1. GUI からグリッド シェルを開きます。
  2. 以下のように警告クォータのエントリを作成します。
    group create WarnGroup
    quota put WarnGroup cpu=4 mem=4G bw=100M disk=500G warn=75 description=”Warn Quota”
    

WarnGroup のユーザがクォータが適用される操作を実行すると、CA AppLogic® により、その操作のリソース使用状況がモニタされます。 操作がクォータのエントリ レベル(75%)を超えると、ダッシュボードに情報メッセージが表示されます。

たとえば、WarnGroup ユーザの操作が 3 GB 以上の RAM を使用し始めると、ダッシュボードにメッセージが表示されます。 以下に、ダッシュボードに表示される警告クォータのメッセージの例を示します。 ユーザが開始したプロセスは現在、RAM メモリのクォータの 75 % を使用しています。 メッセージにはタイム スタンプが含まれています。

Thu 06 Dec 2012 01:55:25 AM PST – User JDoe has used 75% of its memory quota.(ユーザ JDoe がメモリ クォータの 75%を使用しました)
バースト クォータを作成する

Forward, Inc. はまた、適宜より多くのリソースが必要になる独立系ソフトウェア ベンダー(ISV)に対して、Web 開発 LAMP スタックを販売しています。 より多くのリソースへのアクセスを許可するために、Forward, Inc. は高度なアプリケーション開発パッケージ を作成しました。このパッケージには、基本開発パッケージで使用可能なリソースよりも多くのリソースを利用できる機能が含まれています。

高度なアプリケーション開発パッケージに含まれているアイテムは、次のとおりです。

このパッケージでは、より詳細なクォータ設定が必要になります。 このパッケージには、バースト クォータ、親子グループ構造、および Forward, Inc. がリソース測定データを表示して ISV に提供できる方法が含まれています。CA AppLogic® のクォータ システムは、このパッケージに関連付けられているリソース割り当てを測定して、ログに記録します。 Forward, Inc. では ISV に測定データを提供して、ユーザがこれらのレベルを超えた場合に ISV に追加料金を課金しています。

以下の手順に従います。

  1. GUI からグリッド シェルを開きます。
  2. 以下のようにバースト クォータのエントリを作成します。
    group create ISVGroup
    quota put ISVGroup cpu=4 mem=4G bw=10M disk=500G burst=50 description="Burst Quota"
    

ISVGroup のユーザが何らかのバースト制限(CPU、メモリ、帯域幅、またはディスク容量)に到達すると、そのタイプのリソースはそれ以上プロビジョニングできなくなります。 このようなプロビジョニングを試みる操作は、すべて失敗します。

たとえば、ISVGroup ユーザが 6 GB を超える RAM のプロビジョニングを試みる操作などです。 バースト クォータのエントリを設定すると、CA AppLogic® は 6 GB を超えるプロビジョニングを許可しないので、操作は失敗します。

親子のクォータ関係を設定する

Forward, Inc. は、クォータ エントリとユーザを管理するために、警告と ISV グループの親子構造を設定したいと考えています。 親に割り当てられたクォータは、子グループに自動的に割り当てられます。 これにより、以降のクォータ エントリをより簡単に管理できます。

この関係は CA AppLogic® で設定できます。

以下の手順に従います。

  1. GUI からグリッド シェルを開きます。
  2. quota info コマンドを使用して、既存のクォータ エントリを表示します。
    quota info WarnGroup
    quota info ISVGroup
    
  3. group create コマンドと quota modify コマンドを使用して、親子構造を作成します。 この例では、帯域幅クォータを 4 Gbps に設定しています。
    group create DevelopmentPackages
    quota modify WarnGroup bw=4G parent=DevelopmentPackages
    quota modify ISVGroup bw=4G parent=DevelopmentPackages
    
  4. quota list コマンドを使用して、変更を確認します。
    quota list
    

    クォータ リストが表示されます。

    プリンシパル            警告/バースト     CPU     メモリ           帯域幅          ディスク容量    説明
    -------------------------------------------------------------------------------------------
    DevelopmentPackages -/ - - - - -
      ¥_ ISVGroup           - / 50%      4.00    4.00 GB      4.00 Gbps  500.00 GB    バースト クォータ
      ¥_ WarnGroup        75% / -        4.00    4.00 GB      4.00 Gbps  500.00 GB    警告クォータ
    

注: クォータに親が設定されている場合、クォータ階層内のすべてのクォータが対象になります。

測定データを表示する

クォータを設定した後、測定情報を表示できます。 これにより、お客様にリソース測定情報を通知し、この情報に基づいて課金できます。

測定情報を表示するには、verbose(-v)および batch(-b)オプションを指定して、quota list コマンドを実行します。

以下の手順に従います。

  1. GUI からグリッド シェルを開きます。
  2. 以下のように quota list コマンドを入力します。
    quota list -v -b
    

以下に出力の例を示します。

quota: principal = DevelopmentPackages, type = group, scope = local
quota: principal = WarnGroup, type = group, scope = local, parent_principal = DevelopmentPackages, 
parent_type = group, parent_scope = local, cpu_assigned = 4, cpu_allowed = 4, cpu_available = 4, 
mem_assigned = 4294967296, mem_allowed = 4294967296, mem_available = 4294967296, bw_assigned = 
4000000000, bw_allowed = 4000000000, bw_available = 4000000000, disk_assigned = 536870912000, 
disk_allowed = 536870912000, disk_available = 536870912000, description = "Warn Quota", warn = 75
quota: principal = ISVGroup, type = group, scope = local, parent_principal = DevelopmentPackages, 
parent_type = group, parent_scope = local, cpu_assigned = 4, cpu_allowed = 6, cpu_available = 6, 
mem_assigned = 4294967296, mem_allowed = 6442450944, mem_available = 4294967296, bw_assigned = 
4000000000, bw_allowed = 6000000000, bw_available = 4000000000, disk_assigned = 536870912000, 
disk_allowed = 805306368000, disk_available = 536870912000, description = "Burst Quota", burst = 50

Forward, Inc. は、この測定情報をお客様に提示して、ユーザが許容リソース レベルを超えた場合に追加料金を課金できます。 以下に重要な測定情報を示します。

これで、Forward, Inc. のクォータ設定は完了です。 オペレータは、以下を作成しました。

これで、クォータを設定して使用できるようになりました。 次の手順では、お客様にリソース測定データを通知して、課金します。

CA AppLogic® のセキュリティと無関係なクォータの使用

クォータは、ユーザとグループに対して、CA AppLogic® のセキュリティ設定とは無関係に使用できます。 多国籍企業の場合、同じグリッドを共有しているグループと場所でも、セキュリティ グループが異なることがあります。 このような企業では、異なるグループ メンバーに対して、属しているセキュリティ グループに関係なく、グリッドのリソース クォータを独立して適用できる必要があります。

たとえば、Forward,Inc. は、カリフォルニア州のアリソヴィエホやニューヨーク州のニューヨークのほか、世界各地にオフィスを持つ多国籍企業です。 カリフォルニア州のアリソヴィエホ(グループ名: AV-Dev)に設置されている小規模開発グループのメンバーは、ローカル開発プロジェクト用の比較的少量のグリッド リソースへのアクセスを必要としています。 ニューヨークにある 2 番めのグループ Labs On Demand(グループ名: LoD)には、より多くのリソースへのアクセス(つまり、より大きなクォータ)が必要です。というのも、このグループのメンバーは、企業全体の多数の他のグループのグリッド リソースをホスティングする責任があるからです。 カリフォルニア州アリソヴィエホにある 3 番めのグループ QA testers(グループ名: AV-QA)は、セキュリティ グループのメンバーではありませんが、Labs on Demand グループと同量のクォータを必要としています。

オフィスの場所

クォータ グループ

 

クォータ関係

アリソヴィエホ(CA)オフィス

AppLogic セキュリティ グループ: AlisoViejo

子グループ: AV-DEV

ユーザ - John

 

AV-DEV 用: AlisoViejoQ

AV-QA 用: LoDQ

 

 

親: AlisoViejoQ

影響を受けるユーザ: John

 

子グループ: AV-QA

ユーザ - Linda

 

 

親: LodQ

影響を受けるユーザ: Linda

ニューヨーク(NY)Labs on Demand オフィス

AppLogic セキュリティ グループ: LoD

 

 

 

オペレータは、このグリッド上にセキュリティ グループとクォータを設定して、3 つのすべてのグループのメンバーのニーズに対応する必要があります。 容易に設定するには、オペレータは、以下の手順で CLI コマンドを実行します。

以下の手順に従います。

  1. AlisoViejo という名前のセキュリティ グループを作成し、メンバーとして AV-Dev と AV-QA という 2 つの子グループを設定します。
    group create AlisoViejo
    group create AV-DEV
    group create AV-QA
    group modify AlisoViejo +local:group:AV-DEV
    group modify AlisoViejo +local:group:AV-QA
    
  2. John と Linda というユーザを作成し、それぞれにクォータを追加します。
    create user John pwd=123456 group=AV-DEV
    create user Linda pwd=123456 group=AV-QA
    quota put John description=”No Limits for John”
    quota put Linda description=”No Limits for Linda”
    
  3. LoD という名前の別の親セキュリティ グループを作成します。
    group create LoD
    
  4. グループ AV-Dev が AlisoViejoQ という親クォータを持ち、グループ AV-QA が LoDQ という親クォータを持つように設定します。
    quota put AV-DEV parent=AlisoViejoQ
    quota put AV-QA parent=LoDQ
    
  5. クォータ エントリを作成します。
    quota put AlisoViejoQ cpu=10 mem=50G disk=200G description=”Quota for AV group”
    quota put LoDQ cpu=20 mem=0.5T disk=1T description=“Quota for LoD group”
    
  6. quota list コマンドを使用して、AV-DEV グループと AV-QA グループ、それぞれのメンバーである John と Linda、およびクォータ階層との関係を表示します(AV-Dev グループには特定のクォータは割り当てられていませんが親クォータとして特定のリソース制限を持つ AlisoViejoQ が設定され、AV-QA グループには親クォータとして LoDQ が設定されています)。
    quota list
    
    プリンシパル      警告/バースト     CPU     メモリ           帯域幅          ディスク容量      説明
    ---------------------------------------------------------------------------------------
    AlisoViejoQ        - / -       10.00   50.00 GB         -       200.00 GB   AV グループ用のクォータ
      ¥_ AV-DEV       - / -           -       -            -            -
          ¥_ John     - / -           -       -            -            -       John に対しては制限なし
    LoDQ               - / -       20.00  512.00 GB         -         1.00 TB   LoD グループ用のクォータ
      ¥_ AV-QA        - / -           -       -            -            -
          ¥_ Linda    - / -           -       -            -            -       Linda に対しては制限なし
    
  7. 別のセキュリティ グループ階層を表示するには、以下の CLI コマンドを実行します。
    group info AlisoViejo
    group info LoD