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制限付き環境でのモニタおよび制御

ネットワーク区分機能(NPF)を使用して、メッセージの送信元であり、ユーザが制御可能である範囲を制限します。

ユーザ ID を定義して、何らかのネットワーク リソースでコマンドやメッセージを受信することは可能ですが、他者に対してコマンドを発行することは許可されていません。

特定のリソースの制御しか行えないように制限されているユーザ ID の状態を、「コマンド区分化されている」と表現します。 特定のリソースからのメッセージしか受信できないように制限されているユーザ ID の状態を、「メッセージ区分化されている」と表現します。

使用可能なリソースについては、システム NPF データ セットにある一連の NPF リソース テーブル内で定義されています。 制御可能な一連のリソースは、システム管理者が設定し、OCS ウィンドウからは変更できません。 ただし、ユーザ自身のユーザ ID の NPF テーブルをリストしたり、各テーブル内の資源をリストしたりして、使用可能なネットワーク リソースを調べることが可能です。

ネットワーク区分テーブルの表示

ユーザ ID に適用されるコマンドおよびメッセージ テーブル詳細を表示できるコマンドは 2 つあります。 それらは SHOW NP および SHOW NPTAB コマンドです。

SHOW NP コマンドを実行すると、最初に現行の NPF 環境(すべてのメッセージ テーブルの状態を含む)が表示されます。 コマンドに該当するテーブルの状態は変更不能であり、常に ACTIVE(アクティブ状態)に分類されます。 メッセージ テーブルの状態は、ACTIVE(アクティブ状態)または INACTIVE(非アクティブ状態)のいずれかです。

SHOW NP コマンドを実行すると、テーブル名のリスト(エラー状態にあるすべてのテーブルを示した)が戻されます。次に、このリストを SHOW NPTAB コマンドで使用して、これらのテーブル内で定義されているリソースを表示します。

注:  表内で指定されているリソースは、ワイルドカード文字を含む一般形式で指定可能です。 ワイルドカード文字(通常はアスタリスク(*))を使用すると、システムは、その位置に任意の文字が入った項目名を受け入れます。 たとえば、L5*8 は、長さ 4 文字で、文字「L5」で始まり、「8」で終わる、あらゆるリソース名を含みます。 3 番目の位置には任意の文字が使用できます(たとえば L5B8 または L598)。

制限付き環境でのコマンドの入力

ユーザ ID にコマンド テーブルが指定されている場合、このテーブルに定義されていないリソースに対して発行が試みられた VTAM コマンドはすべて拒否されます。 オプションとして、ユーザがネットワーク内のすべてのリソースを見られるようにしているが、コマンドの発行は制限されている場合もあります。

制限付き環境でのメッセージの受信

ユーザ ID にメッセージ区分化が指定されている場合、メッセージ リソース テーブル内で定義されている資源に対する非送信請求 VTAM メッセージのみを受信します。

メッセージ テーブルには、定義時に、初期状態として ACTIVE(アクティブ状態)または INACTIVE(非アクティブ状態)が割り振られています。 INACTIVE(非アクティブ状態)のメッセージ テーブルは、特定のリソースに関するメッセージを受信するかどうかを判別する際には使用されません。 これにより、オペレータの制御範囲が重複し、ネットワーク内のタイムゾーンや地理的境界の要件が考慮に入れられます。

メッセージ テーブルの状態の変更

メッセージ リソース テーブルの状態は変更可能であり、ユーザが常に情報通知を受けることを希望しているネットワークのセクションを制御できます。

メッセージ テーブルへの状態の変更は、即時にすべての操作中の OCS ウィンドウに反映されます。OCS ウィンドウを終了した場合であっても、反映は続行されます。 ログオフしてから再度ログオンすると、以前の状態にリセットされています。

メッセージ リソース テーブルの状態を変更する場合には、NPTAB コマンドを使用します。

例: メッセージ テーブルの状態の変更

たとえば、メッセージ テーブル ZONE1 を非アクティブ状態にし、メッセージ テーブル ZONE2 をアクティブ状態にする場合には、以下のコマンドを入力して Enter キーを押します。

NPTAB ACT=ZONE1 INACT=ZONE2

受信したメッセージの重大度レベルの変更

NPF を使用して、受信した非送信請求メッセージの重大度レベルを変更し、たとえば、重大度が SEVERE であるメッセージだけを表示することなどが可能です。 重大度の選択は、最初にユーザ ID を定義する際に設定し、OCS セッションの間に PROFILE PPO コマンドを使用して変更できます。

オプションとして、配布不能メッセージ(接頭部U付きで端末に表示される)を受信するようプロファイル設定することができます。

制限付き OCS 環境でのエラーの検出

定義された NPF 環境に構文エラーがある場合や、ログオン時の環境作成の際にエラーが発生する場合があります。

このような場合、OCS へのエントリ時に、発生したエラーのタイプを識別する 1 つ以上のエラー メッセージが表示されます。 これらのエラーが、領域の使用に重大な影響を与えるかどうかを判別する必要があります。

リモート オペレータ機能(ROF)を持つ制限付きモニタ環境の使用

リモート領域に接続するためにリモート オペレータ機能(ROF)を使用する場合、リモート領域用にユーザ ID に割り当てられた権限と特権が適用されます。これには、リモート領域内でユーザ ID 用に定義された任意のネットワーク区分も含まれます。

リモート領域で独自の NPF 環境を表示するには、ROUTE コマンドを使用して、リモート領域に SHOW NP コマンドの実行を指示します。

結果は使用している端末に戻されます。