OCS からコマンドが発行可能であることは、領域の制御における重要な部分です。 OCS から、使用している製品のバックグラウンド プロセスに対してコマンドを発行したり、指定した時刻に基づいてコマンドが自動的に発行されるように設定したりできます。
バックグラウンド環境は、システムやサービスの内部にあります。 バックグラウンド環境では、ユーザが実行依頼したコマンドが処理され、LOGPROC などのシステム レベル プロシージャがサポートされます。 各バックグラウンド プロセスにはユーザ ID がありますが、物理端末には関連付けられていません。
以下のバックグラウンド環境が利用可能です。
バックグラウンド システム環境
バックグラウンド モニタ環境
バックグラウンド サーバ環境
バックグラウンド ロガー環境
これらのバックグラウンド環境にコマンドを送信し、そこで、SUBMIT コマンドを使用して、実際の OCS ユーザであるかのようにそれらのコマンドを実行できます。 コマンドまたは NCL プロシージャを実行依頼できます。 たとえば、バックグラウンド システム環境で MONPROC プロシージャを開始するには、以下のコマンドを入力して、Enter キーを押します。
SUBMIT BSYS START MONPROC
コマンドが実行依頼されると、その処理はその環境によって管理されます。 ユーザがログ オフしたり、OCS を離れたりしても、この処理に影響はありませんが、そのコマンドの権限は実行依頼者のユーザ ID と同じままです。
バックグラウンド環境による処理は、ネットワーク コンポーネントの状態を定期的にチェックする NCL プロシージャをモニタする場合に最適です。 バックグラウンド モニタに指示されたコマンドの場合、システムにログオンしたすべてのモニタ状態端末およびアクティビティ ログに対して、コマンドと結果が経路指定されます。 バックグラウンド ロガーに実行を指示されたコマンドの場合、コマンドとその結果のみが記録されます。
タイマ コマンドをバックグラウンド環境に経路指定することも可能です。この場合、SUBMIT コマンドか、発行されるタイマ コマンドの ROUTE オペランドを使用します。
コマンドを指定の時間に指定の間隔で発行できます。 このようなコマンドを、タイマ始動コマンドと呼びます。 利用可能なタイマ始動コマンドには以下のようなものがあります。
1 日の指定された時刻にコマンドを実行します。 タイマ コマンドは、hh.mm.ss 形式の 24 時間クロックを使用します。
制限: 24.00.00(午前零時)
指定された頻度でコマンドを繰り返し実行します。
デフォルト: 10 秒
タイマ コマンドは、OCS から入力することも、NCL プロシージャに組み込むことも可能です。
タイマ コマンドは、最大で 9999 まで並行して実行可能であり、これがデフォルトになっています。
タイマ コマンドの実行後にログオフすると、このコマンドは実行されません。 ただし、AT コマンドを入力する際に ROUTE オペランドまたは KEEP オペランドを指定して、別のユーザが代わりにこのコマンドを発行するよう指定できます。 この機能により、いったんサインオフして、次回のサインオン時にコマンドの実行結果を受け取ることができます。
スタートアップ時に自動的に実行されるシステム初期設定プロシージャで、特定の演算子にタイマ コマンドを組み込んでいる場合、ROUTE オプションおよび KEEP オプションを使用すると便利です。
タイマ コマンドは、指定した回数繰り返し実行した後で、自動的にパージされるように指定することもできます。
例: 指定間隔でのユーザのモニタ
たとえば、システムにログオンするユーザを 30 分ごとにモニタする場合には、以下のコマンドを入力して Enter キーを押します。
EVERY .30 CMD=SHOW USERS
また、午後 3 時(15 時)から開始されるミーティングへの出席を呼びかける通知を 1 時間前(14 時)に出したい場合には、以下のコマンドを入力して、Enter キーを押します。
AT 14.00 MSG ALL DON’T FORGET MEETING AT 15.00
タイマ コマンドが実行されると、そのコマンド テキストは該当するすべての端末にエコーし、これらの端末からコマンドが入力されているように見えます。 一意のタイマ ID がコマンド テキスト エコーの前に付き、以下の形式になります。
#nnnn command_text
SHOW TIMER コマンドを使用して、保留中のタイマ コマンドを表示できます。 デフォルトでは、このコマンドにより、ユーザ ID によって始められた任意のタイマ コマンドを表示できます。 ただし、ALL オペランドを指定することにより、システム上の未処理のタイマ コマンドをすべて表示できます。
例: アクティブ状態のタイマ コマンドの表示
これまでに開始したタイマ コマンドを検出する場合には、以下のコマンドを入力して Enter キーを押します。
SHOW TIMER
上記の例のコマンドを使用すると、以下の結果が表示されます。
ID BY INTERVAL -USERID-R LIM CNT K/P ENV P/M TID NEXT
4 EV 00:30:00 USER01 0 0 NO PRI YES - 12:29:48
CMD=SHOW USERS
5 AT 14:00:00 USER01 0 0 NO PRI YES - 14:00:00
CMD=MSG ALL DON'T FORGET MEETING AT 15.00
NUMBER OF TIMER COMMANDS DISPLAYED WAS 2.
タイマ コマンドを開始するとき、タイマ ID、またはパージ ID と呼ばれる 4 桁の一意の数が割り当てられます。 そのコマンドに起因する表示にはすべて、この数字が先頭に付きます。また、タイマ コマンドを手動で削除するときには使用する必要があります。
タイマ コマンドを手動で削除する場合、PURGE コマンドを使用します。
別のユーザが作成したタイマ コマンドを削除するには、コマンド権限レベル 2 以上が必要です。
例: コマンドの削除
AT タイマ コマンドを削除するには、以下のコマンドを入力します。
PURGE TIMER=5
5 という値は、AT コマンドに割り当てられたパージ ID です。
デフォルトでは、タイマ コマンドがアクティブ状態にあるのは、ユーザがシステムにログ オンしている間のみです。 コマンドの発行が試みられる前には、必ずシステムによってユーザがまだログオンしているかどうかがチェックされます。
ユーザがシステムにログオンしていない場合、タイマ コマンドはそれ以上実行されず、自動的に削除されます。
ログオフした後も引き続きタイマ始動コマンドを実行したい場合には、コマンド結果をバックグラウンド ロガー、バックグラウンド モニタ、またはシステムバックグラウンド環境にリダイレクトできます。
タイマ コマンドをリダイレクトするには、AT コマンドまたは EVERY コマンドを KEEP オペランドと一緒に指定します。
デフォルトでは、KEEP オペランドを実行するにはコマンド権限レベル 2 以上が必要です。
例: タイマ コマンドのリダイレクト
たとえば、SHOW USERS コマンドをバックグラウンド システム環境で実行するためにリダイレクトする場合は、以下のコマンドを入力して、Enter キーを押します。
EVERY .30 KEEP=SYS CMD=SHOW USERS
KEEP オペランドが使用されている場合、タイマ コマンドの実行はユーザが領域へログオンされるかどうかに関係なく続行します。
タイマ コマンドを定義する際に、LIMIT オペランドを使用して、コマンドの実行回数に制限を指定できます。 この制限に達すると、コマンドは自動的にパージされます。
SHOW TIMER コマンドを使用して、制限に割り当てた値とコマンドがすでに実行された回数を表示できます。
例: タイマ コマンドの実行の制限
SHOW USERS コマンドの実行回数を 5 回までに制限する場合には、以下のコマンドを入力して Enter キーを押します。
EVERY .30 LIMIT=5 CMD=SHOW USERS
SHOW USERS コマンドが 5 回実行されると、タイマ コマンドは削除されます。
ROUTE オペランドにより、別のユーザ ID(ターゲットのユーザ ID)でコマンドを実行するように指示できます。 このオペランドには、少なくとも 2 のコマンド権限レベルが必要です。
このオプションにより、タイマ コマンドはターゲット ユーザ ID がログオンしていない場合であっても保存されます。 コマンド実行は迂回され、タイマ間隔はリセットされます。 再びタイマ間隔が経過するまで、このコマンドは再試行されません。
例: 別のユーザ ID でのタイマ コマンドの実行
USER02 に SHOW USERS コマンドを実行させる場合は、以下のコマンドを入力します。
EVERY .30 ROUTE=USER02 CMD=SHOW USERS
連結されたコマンドは、タイマ コマンドのコマンド テキストに指定可能です。 連結された各コマンドの間は、コロン(:)で区切ります。 これらは、内部で通常の連結文字(つまり、セミコロン(;))に変更されてから実行されます。
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