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エンタープライズ マネージャのエージェントの設定

CA IT Client Manager のインフラストラクチャでは、共通設定アーキテクチャおよび手法が使用されています。 管理者は DSM エクスプローラ インターフェースを使用して、設定ポリシーを変更します。 これらの変更は、管理データベース(MDB)のドメイン マネージャに保存されます。 次に、変更は適用対象のエージェントに伝送されます。

1 つの例外を除いたすべての場合において、これは簡単なソリューションです。 エンタープライズ マネージャが存在する場合、設定管理アーキテクチャは、若干直感的でなくなります。

管理対象設定をサポートするには、エンタープライズ マネージャ自身が管理される必要があります。 これには、エージェントのインストールが必要です。 エージェントはスケーラビリティ サーバと通信し、次にスケーラビリティ サーバはドメイン マネージャと通信します。 このため、エンタープライズ マネージャのコンピュータを管理するスケーラビリティ サーバおよびドメイン マネージャを決定する必要があります。

ほとんどの組織で展開されるエンタープライズ マネージャは、1 つのみです。

ロケーション認識を有効化および設定する方法

管理者は、ロケーション認識ポリシーを作成する必要があります。 ロケーションの変更が検出された場合にコンピュータが適切なスケーラビリティ サーバにレポートするよう設定できます。 DSM エージェント上でロケーション認識機能をポリシーに適用すると、コンピュータがロケーション認識ルールを評価できるようになります。

DSM エージェントに対するロケーション認識の有効化と設定

以下の手順に従います。

  1. ロケーション認識を有効にします
  2. (オプション)サブネット スキャンの制限を設定します
  3. 場所を設定します
  4. (オプション)スキャン タイムアウトを設定します
  5. (オプション)スクリプト タイムアウトを設定します
  6. (オプション)ロケーション認識の更新スケジュールを設定します
  7. ロケーション認識をエージェントに適用します

ロケーション認識の有効化

ロケーション認識機能は、新規インストールまたはアップグレードのいずれかに対してはデフォルトで有効にされません。 ロケーション認識ポリシーを有効にすることによって、エージェントの地理的な場所の変更を検出できます。 変更が検出されると、エージェントはルールを評価し、適切なスケーラビリティ サーバに接続します。

重要: ロケーション認識機能を有効にする前に、ITCM 環境に存在する他のロケーション認識ソリューションを無効にしてください。

次の手順に従ってください:

  1. [DSM]-[エージェント]-[共通エージェント]-[共通]-[ロケーション認識]の順に移動します。

    以下のロケーション認識パラメータが表示されます。

  2. [有効]を選択し、[タスク]ポートレットで[プロパティの設定]をクリックします。

    [プロパティの設定]ダイアログ ボックスが開きます。

  3. [値]フィールドから True (はい)を選択し、[OK]をクリックします。

    ポリシー内で機能が有効になります。 ポリシーは、封印してエージェントに適用するまでアクティブになりません。

注:

(オプション)サブネット スキャンの制限の設定

サブネット スキャンの制限により、他のドメイン内のスケーラビリティ サーバを検出するためのサブネットのスキャンを可能にするかどうかを設定します。

次の手順に従ってください:

  1. ロケーション認識設定ポリシーに移動します。

    ロケーション認識パラメータが右ペインに表示されます。

  2. [サブネット スキャンの制限]をダブルクリックします。
  3. [タスク]ポートレットの[プロパティの設定]をクリックします。

    [プロパティの設定]ダイアログ ボックスが開きます。

  4. [値]フィールドで、お使いの環境に適切な値に変更します。

    デフォルト: はい(True)

  5. [OK]をクリックします。

    [サブネット スキャンの制限]パラメータが設定されます。

場所の設定

ロケーション ルールを定義することにより、地理的な場所の変更をサポートし、エージェントが適切なスケーラビリティ サーバに接続できるようにします。 エージェントは、どのスケーラビリティ サーバに接続するかを判断するために作成されたルールを評価します。

次の手順に従ってください:

  1. [場所]を選択し、[タスク]ポートレットで[プロパティの設定]をクリックします。

    [プロパティの設定]ダイアログ ボックスが開きます。

  2. ルールを設定するために[行の追加]をクリックします。

    以下のパラメータを持つ行が、現在のテーブル構造に追加されます。

  3. 各パラメータを設定し、[OK]をクリックします。

    場所パラメータ設定が設定されました。

重要: この機能では、アドレス範囲、サーバ名、サブネット スキャン、スクリプトの値を完全には確認または検証しません。 これらのパラメータは注意して設定してください。

ロケーション ルールの優先度の設定

どのロケーション ルールを処理するかを選択する優先度を指定できます。 エージェントはルールを評価し、指定された優先度を使用して適用するルールを判断します。

たとえば、2 つのルール(ルール A とルール B)を作成したとします。 ルール A には優先度 1 を指定し、ルール B には優先度 2 を指定したと仮定します。 ルール A と ルール B の他のすべてのパラメータに同じ値を設定した場合、エージェントでは 2 つの一致が検出されます。 しかし、ルール A の優先度の方が高いので、ルール A が適用されます。

次の手順に従ってください:

  1. [優先度]の下の新しい値をダブルクリックします。

    [プロパティの設定]ダイアログ ボックスが開きます。

  2. [値]フィールドでロケーション ルールに対する優先度を指定し、[OK]をクリックします。

    最高優先度: 0

    最低優先度: 99999

    ロケーション ルールの優先度が設定されました。

ロケーション ルールのアドレス範囲の設定

エージェント アドレスが IP アドレス範囲の条件に一致する場合、ロケーション ルールは選択に含まれます。 ロケーション認識機能は、IPv4 および IPv6 の両方のアドレスをサポートします。 エージェントが複数のルールに一致する場合、ルールの優先度の値を使用して、使用するサーバを判断します。

次の手順に従ってください:

  1. アドレス範囲列の新しい値をダブルクリックします。

    [プロパティの設定]ダイアログ ボックスが開きます。

  2. [値]フィールドにアドレス範囲を入力し、[OK]をクリックします。

    制限: 最小値は 1 です。

    IPv4 を使用する場合、アドレス範囲列に IP アドレス、IP ワイルドカード、または IP 範囲を指定できます。 以下に例を示します。

    IPv6 を使用する場合、アドレス範囲列にさまざまな IPv6 アドレス プレフィックスを指定できます。 以下に例を示します。

    2001:DB8::/48

    組織、サイト、サブサイト、サブネットを特定します。48 はプレフィックスの長さ(ビット)で、許可される最大ビット数は 64 です。

    特別なアドレス プレフィックス:

    FE80::/64

    リンク ローカル プレフィックスとの照合に使用します(ローカル サブネット)。

    FEC0::/64

    サイト ローカル プレフィックスとの照合に使用します。

    ::/0

    すべての IPv6 アドレスとの照合に使用します。

    マルチキャスト グループ アドレス:

    FF02::1

    ローカル ネットワーク セグメントの全ノードとの照合に使用します(リンク ローカル)。

    FF05::1

    サイト ネットワーク上の全ノードとの照合に使用します(サイト ローカル)。

    FF08::1

    組織ネットワーク上の全ノードとの照合に使用します(組織ローカル)。

    ロケーション ルールに対するアドレス範囲が設定されました。

ロケーション ルールのスケーラビリティ サーバの設定

[スケーラビリティ サーバ]列の値を指定して、エージェントが接続するスケーラビリティ サーバの IP アドレス FQDN (完全修飾ドメイン名)を定義します。

次の手順に従ってください:

  1. [スケーラビリティ サーバ]の下の新しい値をダブルクリックします。

    [プロパティの設定]ダイアログ ボックスが開きます。

  2. アドレス範囲内に存在するエージェントが接続するスケーラビリティ サーバの IP アドレスまたは FQDN を入力します。

    ロケーション ルールに対するスケーラビリティ サーバが設定されました。

: スケーラビリティ サーバを指定する場合は、[サブネット スキャン]列および[スクリプト]列を空にしておきます。 スケーラビリティ サーバを使用していない場合は、[スケーラビリティ サーバ]列を空にしておきます。

ロケーション ルールに対するサブネット スキャンの設定

サブネット スキャン設定は、指定されたサブネットのスキャンに対してルールを定義し、そのサブネット上のアクティブなスケーラビリティ サーバをすべて検出します。 エージェントは、他のルールと、アクティブなサーバの予測応答数を評価し、最適なサーバを選択します。 ロケーション認識機能は、IPv4 および IPv6 の両方のアドレスをサポートします。

次の手順に従ってください:

  1. サブネット スキャン列の新しい値をダブルクリックします。

    [プロパティの設定]ダイアログ ボックスが開きます。

  2. [値]フィールドにサブネット スキャンを入力し、[OK]をクリックします。

    IPv4 を使用する場合、サブネット スキャン列に IP アドレス、IP ワイルドカード、または IP 範囲を指定できます。

    IPv6 を使用する場合、サブネット スキャン列にさまざまな IPv6 アドレス プレフィックスを指定できます。

    ロケーション ルールに対するサブネット スキャンが設定されました。

: サブネット スキャンを指定する場合は、[スケーラビリティ サーバ]と[スクリプト]列を空にしておきます。 サブネット スキャンを使用していない場合は、[サブネット スキャン]列を空にしておきます。

ロケーション ルールのスクリプトの設定

エージェントで実行されるスクリプトを追加し、使用するスケーラビリティ サーバを決定することができます。 追加したスクリプトは、エージェント コンピュータに配布する必要があります。

次の手順に従ってください:

  1. [スクリプト]列の新しい値をダブルクリックします。

    [プロパティの設定]ダイアログ ボックスが開きます。

  2. [値]フィールドで、DM スクリプトの名前を指定し、[OK]をクリックします。

    : スクリプトの場所は、絶対パスまたは相対パスで指定できます。 相対パスは、ITCM インストール ディレクトリ(通常は以下のいずれか)に対する相対パスになります。

    Windows の場合

    C:¥Program Files(x86)¥CA¥DSM

    UNIX/Linux の場合

    /opt/CA/DSM

    以下のパラメータがサーバ選択スクリプトに渡されます。

    -o <出力ファイル名>

    特定するスケーラビリティ サーバの名前をスクリプトが書き込むファイルの名前を指定します。

    -x <エラー ファイル名>

    生成されたエラー情報をスクリプトが書き込むファイルの名前を指定します。

    -a <一致するアドレス>

    このアドレスに一致すると、このスクリプトを実行することになります。

    DM スクリプトがロケーション ルールに対して設定されました。

    : スクリプトを指定する場合は、[スケーラビリティ サーバ]と[サブネット スキャン]列を空にしておきます。 サブネット スキャンを使用していない場合は、[サブネット スキャン]列を空にしておきます。

例:

rem ---------------------------------------------------------------------
rem Simple location aware server identification script
rem This script writes a hard coded server name to the output file
rem ---------------------------------------------------------------------

dim sMatchingAddress as string
dim sOutputFileName as string
dim sErrorFileName as string

dim X as Integer 
FOR X=0 to argc()
	
	rem Read the output file from the provided parameters
    
	if ( argv(X)="-o") THEN
        sOutputFileName = argv(X+1)
        ENDIF
	
	rem read the matching address from the provided parameters

    if ( argv(X)="-a") THEN
        sMatchingAddress = argv(X+1)
        ENDIF

	rem read the matching address from the provided parameters

	if ( argv(X)="-x") THEN
        sErrorFileName = argv(X+1)
        ENDIF

NEXT X

dim fHandle as integer

fHandle = OpenFile(sOutputFileName,O_WRITE) 
IF NOT(EOF(fHandle)) Then 
	WriteFile(fHandle,"sampleserver.ca.com")
	CloseFile(fHandle)
	exit
ENDIF
exit

(オプション)スキャン タイムアウトの設定

サブネット スキャンを使用する場合、スキャン タイムアウト設定により、スキャンでスケーラビリティ サーバからの応答を待機する最大の間隔を決定します。

次の手順に従ってください:

  1. [スキャン タイムアウト]をダブルクリックし、[タスク]ポートレット内の[プロパティの設定]をクリックします。

    [プロパティの設定]ダイアログ ボックスが開きます。

  2. [値]フィールドで、お使いの環境に適切な値に変更し、[OK]をクリックします。

    デフォルト: 30

    スキャン タイムアウト パラメータが設定されました。

(オプション)スクリプト タイムアウトの設定

スクリプト タイムアウト設定は、スクリプトを実行する時間の最大の間隔を決定します。 指定された間隔が経過すると、スクリプトは実行を停止します。

次の手順に従ってください:

  1. [スクリプト タイムアウト]を選択し、[タスク]ポートレットで[プロパティの設定]をクリックします。

    [プロパティの設定]ダイアログ ボックスが開きます。

  2. [値]フィールドで、お使いの環境に適切な値に変更し、[OK]をクリックします。

    値:

    デフォルト: 300

    スクリプト タイムアウト パラメータが設定されました。

(オプション)ロケーション認識の更新スケジュールの設定

[ロケーション認識の更新]ポリシー グループ フォルダには、CAF を定期的にサーバに登録するジョブが含まれています。 ポリシー パラメータ値を変更するには、ポリシーをダブルクリックして[プロパティの設定]ダイアログ ボックスを表示します。

CAF スケジューラ: コマンド ライン

このジョブを実行する CAF コマンドを定義します。

デフォルト: location aware

CAF スケジューラ: 除外する日

スケジュールから除外する日(曜日)を指定します。 月、火、水、木、金、土、日を自由に組み合わせた値を指定します。 複数の値はスペースで区切ります。

デフォルト:

CAF スケジューラ: 有効

登録更新ジョブを有効にするかどうかを指定します。

デフォルト: はい

CAF スケジューラ: 時間

日単位のスケジュールの場合は、ジョブを実行する時間を定義します。 このポリシーは、時間単位および分単位のスケジュールには使用しません。

デフォルト: 12

CAF スケジューラ: 除外する時間

スケジュールから除外する時間を指定します。 24 時間の単位で時間を指定します。 複数の値はスペースで区切ります。

デフォルト:

CAF スケジューラ: 分

日単位のスケジュールの場合は、ジョブを実行する時間に続いて分を定義します。 このポリシーは、分単位のジョブには使用されません。

デフォルト: 0

CAF スケジューラ: ランダムな分

random_minute ジョブに追加する分数を定義します。 ジョブは、指定された時間にランダムな分数(指定された値を最大とする)を追加した時間に実行されます。 エージェントの接続時間を厳密に指定しないことにより、ポリシーではジョブを「あいまいな」間隔で定期的に実行し、サーバの負荷を分散します。

デフォルト: 90

CAF スケジューラ: ランダムな現在時間

random_now ジョブが開始されるまでの最大時間を秒数で定義します。 ジョブは、指定されたランダムな秒数が経過するまでに実行されます。 このポリシーにより、同時に起動されたコンピュータがそれぞれのジョブを同時に開始しないようになります。

デフォルト: 0

CAF スケジューラ: 繰り返し

ジョブを繰り返す間隔を定義します。 この値はジョブ タイプによって異なります。 たとえば、タイプが日単位(day)の場合、この値はジョブが実行される間隔の日数を表します。

デフォルト: 1

CAF スケジューラ: ジョブのタイプ

スケジュール間隔のタイプを指定します。 有効な値は、日(day)、時間(hour)、分(minute)です。 また、必要に応じて以下の修飾子を追加できます。

random

指定したジョブの時間から、[ランダムな分]の値を最長として、ランダムな時間の経過後にジョブを実行します。

random_hour

1 日のうちランダムな時間に実行します。

random_minute

1 時間のうちランダムな分に実行します。

now

指定された時間になったらジョブをすぐに起動します。

複数の値はスペースで区切ります。

例:

毎日午後 2:30 に amagent ジョブを実行する場合。

type=”day”, repeat=1, hour=14, minute=30, cmd=”start amagent”

CAF が開始したときに、毎日(週末を除く)午前 1:00 から午前 2:30 の間でランダムに amagent ジョブを実行する場合。

type=”day now random”, hour=1, minute=0, randomminutes=90, excludedays=”Saturday Sunday”, cmd=”start amagent”

エージェントへのロケーション認識の適用

ポリシーを作成して封印したら、アセット(コンピュータまたはグループ)に適用します。

次の手順に従ってください: (アセットに対して)

  1. ツリー ビューの[コントロール パネル]ノードの下の[設定ポリシー]フォルダに移動します。
  2. 適用するポリシーを右クリックし、コンテキスト メニューから[コピー]を選択します。
  3. ツリー ビューで、アセットを選択して右クリックし、コンテキスト メニューから[貼り付け]を選択します。

    ポリシーがアセットに適用されます。

次の手順に従ってください: (複数のアセットまたはグループに対して)

  1. ツリー ビューで、アセットまたはグループを選択します。
  2. 強調表示したターゲットを右クリックし、コンテキスト メニューから[貼り付け]を選択します。

    別のコンテキスト メニューが表示されます。

  3. [設定ポリシー]をクリックします。

    [ポリシーのスケジュール]ダイアログ ボックスが開きます。

  4. ポリシーをアクティブ化するためにスケジュールを設定します。

    : 1 つのアセットまたはグループにポリシーを適用すると、[カスタマイズおよびプレビュー]ボタンが有効になります。 複数のアセットまたはグループにポリシーを貼り付ける場合は、このボタンが無効になります。

  5. [OK]をクリックして、複数のアセットまたはグループにポリシーを適用します。

DSM エージェントに対してロケーション認識機能が正常に有効化され設定されました。