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TCP クラス

TCP クラスの各レコードは、メール、FTP、http などの TCP/IP サービスを定義します。 TCP クラスが認証に使用されている場合、TCP リソースがアクセスを許可する場合のみ、ホストはローカル ホストからサービスを取得することができます。 また、ローカル ホスト上のユーザまたはグループは、TCP リソースがアクセスを許可する場合のみ、TCP/IP サービスを使用してリモート ホストにアクセスすることができます。

TCP レコード内の ACL には、ホストのアクセス タイプ(HOST)、ホストのグループ(GHOST)、ネットワーク(HOSTNET)、およびホストのセット(HOSTNP)を指定することができます。

TCP レコード内の CACL には、ホストのアクセス タイプ(HOST)、ホストのグループ(GHOST)、ネットワーク(HOSTNET)、およびホストのセット(HOSTNP)を指定することができるほか、ユーザやグループのアクセス タイプも指定することができます。

ホスト名だけではなく、IPv4 アドレスにも基づいてルールを設定することができます。 つまり、ドメイン名変更に対応することができます。

注: IP 通信用の CA Access Control アクセス ルールは IPv4 にのみ適用されます。 CA Access Control は IPv6 によるアクセスを管理しません。

注: CONNECT クラスがアクセスの基準として使用されている場合、TCP クラスは事実上アクティブにできません。 接続を保護するには、TCP クラスと CONECT クラスのどちらかを使用します。両方は使用しません。

TCPレコードのキーは、TCP/IPサービスの名前です。 TCP クラスは、送信サービスおよび受信サービスの両方を制御します。

以下の定義では、TCP クラス レコードに含まれるプロパティについて説明します。 ほとんどのプロパティは変更可能で、selang インターフェースまたは管理インターフェースを使用して操作することができます。 変更できないプロパティには、「情報のみ」と記載されます。

ACL

ローカル ホストによるサービスの提供先ホストと許可されるアクセス タイプを定義します。

アクセス制御リストの各要素には、以下の情報が含まれます。

ホスト参照

HOST レコード、GHOST レコード、HOSTNET レコード、または HOSTNP レコードを定義します。

許可されるアクセス

参照ホストに与えられる、リソースに対するアクセス権限です。 有効なアクセス権限は以下のとおりです。

  • none - どの操作の実行もホストに許可しません。
  • read - ローカル ホストからの TCP サービスの取得をホストに許可します。

    このプロパティを変更するには、authorize コマンドまたは authorize- コマンドの access パラメータを使用します。

CACL

リソースへのアクセスを許可されているアクセサ(ユーザおよびグループ)、およびアクセサがアクセスできるホストのリストを定義します。 条件付きアクセス制御リスト(CACL)の各要素には、以下の情報が含まれます。

アクセサ

アクセサを定義します。

ホスト参照

HOST レコード、GHOST レコード、HOSTNET レコード、または HOSTNP レコードを定義します。

アクセス

アクセサに与えられる、リソースに対するアクセス権限を定義します。 有効なアクセス タイプは以下のとおりです。

  • write - このサービスを使用したホストまたはホストのグループへのアクセスをアクセサに許可します。
  • none - このサービスを使用したホストまたはホストのグループへのアクセスをアクセサに許可しません。

このプロパティを変更するには、authorize コマンドまたは authorize- コマンドを使用します。

CALACL

リソースへのアクセスが許可されるアクセサ(ユーザおよびグループ)およびそれぞれの Unicenter NSM カレンダ ステータスに基づくアクセス タイプのリストを定義します。

カレンダ アクセス制御リスト(CALACL)の各要素には、以下の情報が含まれます。

アクセサ

アクセサを定義します。

Calendar

Unicenter TNG のカレンダへの参照を定義します。

アクセス

アクセサに与えられる、リソースに対するアクセス権限を定義します。

カレンダが有効な場合のみアクセスが許可されます。 その他の場合はすべてのアクセスが拒否されます。

ACL プロパティに定義されているアクセスに基づいて、リソースへのアクセスをユーザまたはグループに許可するには、authorize コマンドで calendar パラメータを使用します。

CALENDAR

CA Access Control のユーザ、グループ、およびリソース制限事項の Unicenter TNG カレンダ オブジェクトを表します。 CA Access Control により、指定された時間間隔で Unicenter TNG のアクティブなカレンダが取得されます。

COMMENT

レコードに含める追加情報を定義します。 この情報が権限付与に使用されることはありません。

制限: 255 文字。

CREATE_TIME

(情報のみ)レコードが作成された日時が表示されます。

DAYTIME

アクセサがリソースにアクセスできる日時を規定する、曜日と時間帯の制限を定義します。

このプロパティを変更するには、chres コマンド、ch[x]usr コマンド、または ch[x]grp コマンドで restrictions パラメータを使用します。

日時の制約の単位は 1 分です。

GROUPS

リソース レコードが属する CONTAINER クラスのレコードのリストを定義します。

クラス レコードのこのプロパティを変更するには、適切な CONTAINER クラスのレコードの MEMBERS プロパティを変更する必要があります。

このプロパティを変更するには、chres コマンド、editres コマンド、またはnewres コマンドの mem+ または mem‑ パラメータを使用します。

NACL

リソースの NACL プロパティは、リソースへのアクセス権限が拒否されるアクセサを、拒否されるアクセス タイプ(write など)と共に定義するアクセス制御リストです。 ACL、CALACL、PACL も参照してください。 NACL の各エントリには、以下の情報が含まれます。

アクセサ

アクセサを定義します。

アクセス

アクセサに対して拒否されるアクセス タイプを定義します。

このプロパティを変更するには、authorize deniedaccess コマンドまたは authorize- deniedaccess- コマンドを使用します。

NOTIFY

リソースまたはユーザによって監査イベントが生成されたときに通知されるユーザを定義します。 CA Access Control では、指定したユーザ宛に監査レコードを電子メールで送信できます

制限: 30 文字。

OWNER

レコードを所有するユーザまたはグループを定義します。

PACL

アクセス要求が特定のプログラム(または名前パターンに一致するプログラム)とそのアクセス タイプを使用して行われる場合に、リソースへのアクセスが許可されるアクセサのリストを定義します。 プログラム アクセス制御リスト(PACL)の各要素には、以下の情報が含まれます。

アクセサ

アクセサを定義します。

Program

指定またはワイルドカード パターン一致によって、PROGRAM クラスのレコードへの参照を定義します。

アクセス

アクセサに与えられる、リソースに対するアクセス権限を定義します。

注: PACL のリソースの指定にはワイルドカード文字を使用できます。

プログラム、アクセサ、およびそのアクセス タイプを PACL に追加するには、selang の authorize コマンドで via(pgm) パラメータを使用します。アクセサを PACL から削除するには、authorize- コマンドを使用します。

RAUDIT

CA Access Control の監査ログに記録されるアクセス イベントのタイプを定義します。 RAUDIT という名前は Resource AUDIT の短縮形です。 有効な値は以下のとおりです。

all

すべてのアクセス要求

success

許可されたアクセス要求

failure

拒否されたアクセス要求(デフォルト)

none

アクセス要求を記録しない

CA Access Control では、リソースへのアクセス試行が発生するたびにイベントが記録されます。ただし、アクセス ルールがそのリソースに直接適用されたか、またはそのリソースをメンバとするグループまたはクラスに適用されたか、については記録されません。

監査モードを変更するには、chres コマンドおよび chfile コマンドの audit パラメータを使用します。

UACC

リソースに対するデフォルトのアクセス権限を定義します。CA Access Control に定義されていないアクセサ、またはリソースの ACL に登録されていないアクセサに与えるアクセス権限を指定します。

このプロパティを変更するには、chres コマンド、editres コマンド、または newres コマンドの defaccess パラメータを使用します。

UPDATE_TIME

(情報のみ)レコードが最後に変更された日時を示します。

UPDATE_WHO

(情報のみ)更新を実行した管理者を示します。

WARNING

警告モードを有効にするかどうかを指定します。 リソースの警告モードを有効にすると、そのリソースに対するアクセス要求はすべて許可され、アクセス要求がアクセス ルールに違反した場合、監査ログにレコードが記録されます。